理解した>今夏のボーナス...

怒らせてしまった総務部長は、そもそも新興勢力のわが社の存在を快く思っていなかった。
というのも、同じグループ内とはいえ、競合する製品を製造するライバル会社であり、向こうは需要が頭打ちで今後収束していく方向、こちらはこれから売り出しでさらに大規模需要が期待できるため。
つまり、デキる新人をつぶしにかかってくるベテランの構図。
本社の役員たちも、本当のトップの数人はさておき、過去の実績で今の食い扶持を稼いでいる連中にとっては、新しい勢力は脅威である。
しかも、新会社立ち上げのために投資はするものの、経済停滞など外部要因でなかなか売り上げは伸びず、今のところ赤字会社でグループ全体から見るとお荷物な存在なワケで。
一方、社内に目をむけると、本社のお偉いさんたちから一方的に攻撃を受ける、わが社の社長。
しかし、社長と言っても、もともと技術畑で駆け引きのようなことはあまり得意ではないし、社長就任から1年くらいで社長業の経験も薄いため、周囲の攻撃からは防戦一方になる。
さらに、足元を見ると、外部からの指摘に合致する『状況』がちらほらと見えている。
偉い方のおっしゃることはごもっとも...ということで、特定の人物の評価を下げる...と。
う〜ん...
実はその『状況』を作り出したのは自分の上司なワケで、そういう意味ではハメらえたと捉えても間違いはないワケなんだけれども、今さらそれを社長に直訴しても、仕切り直しとはいかないので、むしろここは上司に一つ借りをつくったということで今後の仕事をやりやすくする方向にもっていきたいかなと。
まぁ、どんなに口が達者でも、震災翌日現場にいなかったのは確かだし、インフラ復旧まで実質的に仕事をしてたのは、警備会社と施設担当者だけだったんだからね。